2020年3月28日2 分

迷信はなぜ生まれるの?

エラー管理理論から考える迷信

信じる方が、信じないより得

皆さんが信じている迷信はありますか?

有名な迷信の例としては、「夜に爪を切ると親の死に目に会えない」や「流れ星に願い事を3回すると願いが叶う」などがありますが、これらは科学的な根拠が全くないか、乏しいとされています。

なぜ、根拠が乏しいものを人は信じるのでしょうか?

進化心理学ではあくまでヒトを生物の1種だと考えます。

生物にとって大切な考え方がコストとリターンになります。

例えば、夜に爪を切りたい人が、親の死に目に会えなくなると言われたとします。

コスト→夜に爪を切らない

リターン→親の死に目に会える

ということになり、本人にとってコストの方がリターンよりも小さければ、この迷信を信じることになります。

先ほどの流れ星の例も同じです。

流れ星が通った時、お願い事をするというのはとても小さいコストでしょう。それに比べてリターンは好きな願いが叶うということになります。

つまり、信じた方が(信じないより)得なのでヒトは迷信を信じるということになります。

古典的や研究ではハトも迷信を信じることが実験からわかっています。

上記の話をまとめるとエラー管理理論という理論にたどり着きます。

エラー管理理論ではエラーを2種類に分けます。

Type I Error (第1種の過誤)とは正しくないのに正しいと思ってしまうこと。

Type II Error (第2種の過誤)とは正しいのに正しくないと思ってしまうこと。

つまり、迷信は正しくないのに正しいと思ってしまう(Type I Error)方が実際に正しいのに正しくないと思ってしまうこと(Type II Error)より得なわけです。

参考文献;

Haselton MG, Buss DM. Error management theory: a new perspective on biases in cross-sex mind reading.J Pers Soc Psychol. 2000;78(1):81–91. doi:10.1037//0022-3514.78.1.81

Guthrie, Stewart (1993).Faces in the Clouds: A New Theory of Religion. Oup Usa.

Skinner, B. F. (1948). 'Superstition' in the pigeon. Journal of Experimental Psychology, 38(2), 168–172. https://doi.org/10.1037/h0055873