1月21日2 分

ペドフィリアはどれだけ一般的か?

ペドフィリアに関するドイツ人男性の調査

ドイツ人男性8,718人を対象に思春期前の子どもに対する性的関心を調査した2016年の研究
18歳から89歳の男性が調査に参加(平均年齢は43.5歳)
思春期前の子どもに対する性的妄想を報告したのは4.1%
思春期前の子どもに対する性行動(児童ポルノの使用や子どもとの性的な接触、またはその両方)を報告したのは3.2%
小児性愛的な性的嗜好(pedophilic sexual preference)を報告したのは0.1%

思春期前の子どもが性犯罪の被害に遭う度に、「ペドフィリア」という用語がネット上を飛び交いますが、ペドフィリアはどれだけ一般的なのでしょうか?

毎度のことになりますが、用語の定義というのはなかなか一貫しないものです。

研究者ごとに意見が異なったり、法令や診断基準などによって定義が異なったり、新しい概念の登場により、定義が変化したりすることは非常に一般的です。

なので、今回取り上げる研究もあくまでも参考程度に見てみましょう。

ドイツ人男性8,718人を対象に思春期前の子どもに対する性的関心を調査した2016年の研究では、18歳から89歳の男性が調査に参加(平均年齢は43.5歳)しました。

この研究では主に3種類の性的関心について調べています。

まず、思春期前の子どもに対する性的妄想を報告したのは4.1%でした。

次に、思春期前の子どもに対する性行動(児童ポルノの使用や子どもとの性的な接触、またはその両方)を報告したのは3.2%でした。

最後に、小児性愛的な性的嗜好(pedophilic sexual preference)を報告したのは0.1%でした。

「ペドフィリア」の有病率が研究ごとに大きく異なる理由としては、「思春期前の児童に対して性的な関心があれば、ペドフィリア」だとすることもあれば「成人よりも思春期前の児童に対して性的な関心が強くなければペドフィリアとは言わない」というような違いが挙げられるかもしれません(もちろん、DSM-5における小児性愛障害のようになると、基準はさらに厳密です)。

参考文献:

Dombert, B., Schmidt, A. F., Banse, R., Briken, P., Hoyer, J., Neutze, J., & Osterheider, M. (2016). How common is men's self-reported sexual interest in prepubescent children?. The Journal of Sex Research, 53(2), 214-223.