生活史理論と身長
生活史理論の予測を2歳から10歳までの309人の子ども達で検証した2008年の研究
小児期に免疫活性化レベルが高いと身長の伸びが小さくなることが判明
エネルギー(予算)の維持への配分が増えることが結果として成長への配分を減らす
大人になると運動が少なくなり、好きなご飯を好きなだけ食べれるようになり、努力をしなければいつの間にかお腹周りがだらしくなくなってしまった...という人も多いと思います。
体重が増えていく一方、身長はそんなことはなく、子どもの時に身長が伸びなければ、大人になって身長が大幅に伸びるということはありません。
今回は、子ども時代の身長の伸びを阻害する意外な要因について考えてみましょう。
2歳から10歳までの309人の子ども達を対象とした2008年の研究では、小児期に免疫活性化レベルが高いと身長の伸びが小さくなることが明らかになりました。
免疫活性化のレベルが高いことがなぜその後の成長を抑制してしまうのでしょうか?
これは、生活史理論(LHT)の予測通りで、個体が利用できるエネルギー(予算)は限られているので、(身体の)維持への配分が増えることは結果として(身体の)成長への配分を減らすことになるというわけです。
参考文献:
McDade, T. W., Reyes‐García, V., Tanner, S., Huanca, T., & Leonard, W. R. (2008). Maintenance versus growth: investigating the costs of immune activation among children in lowland Bolivia. American Journal of Physical Anthropology: The Official Publication of the American Association of Physical Anthropologists, 136(4), 478-484.
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