狩猟採集、農耕、繁殖成功度
狩猟採集社会に比べて、農耕社会では繁殖成功度の男女差は大きくなる
狩猟採集民族では男性がもうける子どもの数にあまり違いは無いが、農耕民族では子どもが全くいない男性と子どもが多くいる男性の差が激しいということ
私たちが日々食べるお米は一体誰が作っているのでしょうか?
もちろん、農家の方々です。
私たちが食べる食材のほぼ全ては自分たちで作っているのではなく、誰かが作っています。
狩猟採集民族はそうではありません。
自給自足という言葉を体現するように、狩猟採集民族は自分たちが食べる食材の全てを自分たちで手に入れているのです。
実は、狩猟採集社会から農耕社会への変化はただ単に食物の入手方法の違いではなく、繁殖適応度の違いを生み出しました。
2012年の研究によると、狩猟採集社会に比べて、農耕社会では繁殖成功度の男女差は大きくなることがわかりました。
つまり、狩猟採集民族では男性がもうける子どもの数にあまり違いは無いが、農耕民族では子どもが全くいない男性と子どもが多くいる男性の差が激しいということです。
狩猟採集社会では男性が養える女性や子どもの数は少ないですが(自給自足なので)、富の蓄積が可能になる農耕社会では富を蓄えた男性はそれだけ多くの女性や子どもを養えるようになったというわけです。
参考文献:
Betzig, L. (2012). Means, variances, and ranges in reproductive success: Comparative evidence. Evolution and Human Behavior, 33(4), 309–317. https://doi.org/10.1016/j.evolhumbehav.2011.10.008
Comments