抑うつのリアリズムという可能性
非抑うつ的な人はポジティブな判断を
軽度の抑うつ的な人は正確な判断を
重度のうつの人はネガティブな判断を
皆さんは物事をポジティブに捉える方ですか?ネガティブに捉える方ですか?
ポジティブな人はネガティブな人の気持ちが理解できず、ネガティブな人はポジティブな人の気持ちを理解できないということは多いでしょう。
ここで問題になるのは、ポジティブな人とネガティブな人のどちらが世界をより正しく認識しているのか?ということです。
ある研究では、抑うつ的な人とそうでない人のどちらが正確な判断をできるかを確かめました。
ちなみに、抑うつとは気分が落ち込んでいる状態のことです。
すると、抑うつ的な人の方が正確な判断をできることがわかり、そうでない人はポジティブな方向への思考の歪みがあることがわかりました。
しかし、軽度の抑うつ的な人と違い、重度のうつの人は明らかにネガティブな方向への思考の歪みがあるとされています。
抑うつ傾向の人が正確に世界を捉えているという考え方は抑うつのリアリズムと呼ばれ、さまざまな議論はあるものの、多くの研究者に支持されています。
参考文献;
Alloy, L. B., & Abramson, L. Y. (1979). Judgment of contingency in depressed and nondepressed students: Sadder but wiser?Journal of Experimental Psychology: General, 108(4), 441–485.https://doi.org/10.1037/0096-3445.108.4.441
Beck, A. T. (1991). Cognitive therapy: A 30-year retrospective.American Psychologist, 46(4), 368–375.https://doi.org/10.1037/0003-066X.46.4.368
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