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大人に期待する赤ちゃん

8ヶ月児の手伸ばし行動


乳児(8ヶ月児)の手伸ばし行動を調べた2016年の研究
乳児は一人でいる時には自分の行動範囲内の物体には手を伸ばすが、行動範囲外の物体には手を伸ばすことを控える
親や実験者がそばにいると、手の届かない物体への手伸ばし行動が増加

「乳児」と聞くとどのような印象を抱きますか?


か弱く、大人に助けられるだけの存在なのでしょうか?


近年では、乳児であっても、大人と同じように適応的な行動を取るということが知られてきています。


今回は、乳児が大人と積極的に相互作用を行うという興味深い研究をご紹介しましょう。


乳児(8ヶ月児)の手伸ばし行動を調べた2016年の研究によれば、乳児は一人でいる時には自分の行動範囲内の物体には手を伸ばすが、行動範囲外の物体には手を伸ばすことを控えることがわかりました。


興味深いのは、親や実験者がそばにいると、手の届かない物体への手伸ばし行動が増加したということです。


これは、手伸ばし行動がただ単に目標(物体)を手に入れる為に行われる行動ではなく、他者が自身の目標を手助けしてくれるという期待を持って行われる行動ということです。


乳児を受動的な存在として扱うのではなく、能動的な存在として捉えることで初めて理解できる行動もあるのかもしれません。


参考文献:


Ramenzoni, V. C., & Liszkowski, U. (2016). The social reach: 8-month-olds reach for unobtainable objects in the presence of another person. Psychological Science, 27(9), 1278-1285.

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