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進化のミスマッチ

  • 執筆者の写真: 日本進化心理学IHAセンター
    日本進化心理学IHAセンター
  • 2020年6月4日
  • 読了時間: 2分

適応の問題点


現代の環境は祖先の環境とずれがある

WHOによると、2016年には18歳以上のうち19億人以上が太り過ぎ、6億5千万人以上が肥満と推定されています。


なぜ、これほどまでに太り過ぎもしくは肥満とされる人々が多いのでしょうか?


我々人類が過去の環境の影響を全く受けておらず、ただ現代環境を生きているのなら、「食べたい」という欲求を抑えられるはずです。


しかし、進化心理学が主張しているのは肥満などの現代病とも言える病を抱えるのは、ヒトが適応してきた進化的適応環境(EEA)が数万年、数十万年、もしくは数百万年単位の昔のことなので、現代の環境の変化についていけてないからというのが理由の1つです。


進化的適応環境ではエネルギーをいかに効率よく摂取するかということが重要な課題になります。


なぜなら、自然界には食物がありふれているわけではなく、限りある資源を求めて競うからです。


つまり、ヒトは限りある食物から効果的にエネルギーを摂取するように進化してきたわけです。


しかし、現代環境では食べ物などは限りあるものとは思えないほど存在しており、さらに栄養価に関しても、祖先の環境で主に食べられていた食物とは比べ物にならないでしょう。


端的に言えば、ヒトは現代環境と祖先の環境のミスマッチに気付けないというわけです。


現代人が食べるのを我慢できない、というのは食べることを我慢する個体は祖先の環境では淘汰されてきたからでしょう。


参考文献:


Obesity and Overweight. www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/obesity-and-overweight.


Knight C. (2011). "Most people are simply not designed to eat pasta": evolutionary explanations for obesity in the low-carbohydrate diet movement.Public understanding of science (Bristol, England),20(5), 706–719. https://doi.org/10.1177/0963662510391733

 
 

*全ての記事は科学的な知見に基づくものであり、一部の人に不利になるような思想を助長させるものではありません。

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