社会的排除と混雑への好み
社会的に排除された消費者は混雑した小売店で商品を見たり、より多くのお金を使ったりする意欲が高い
ヒトは社会的所属を監視する心理システムを進化させてきたので、社会的排除のような脅威を検出すると、所属を取り戻す方向に知覚と反応が偏るということ
混雑している時間帯にスーパーへ買い物に出かけるのはストレスがとてもかかります。
商品を見て回るのも、重い買い物かごを持ってレジに並ぶのもなかなか大変です。
しかし、私たちはいつも混雑を嫌なものとして避けるのでしょうか?
ヒトは社会的所属を監視する心理システムを進化させてきました。
「一人は寂しい」と思うような感情がそれに当たります。
社会的排除のような脅威を検出すると、所属を取り戻す方向に知覚と反応が偏ります。
「寂しい」と感じると寂しさを埋めるような行動を取るということです。
2020年の研究は実際にこれを確かめました。
この研究によると、「社会的に排除された消費者は混雑した小売店で商品を見たり、より多くのお金を使ったりする意欲が高い」ということがわかりました。
生存の助けになってきた所属動機とそれに伴う知覚と反応の変化は日常の買い物でも見られるというわけです。
参考文献:
Thomas, V. L., & Saenger, C. (2020). Feeling excluded? Join the crowd: How social exclusion affects approach behavior toward consumer-dense retail environments. Journal of Business Research, 120, 520-528.