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親が離婚すると損するのは息子?娘?

トリヴァース・ウィラード仮説から考える離婚家庭の影響


離婚家庭では息子への投資を犠牲にして、娘に多く投資する

裕福な家庭は男の子を産み、貧しい家庭は娘を産むではトリヴァース・ウィラード仮説について紹介しました。


進化心理学の代表的な仮説の1つでもあるこの仮説は、親が資源豊富な時には息子に多く投資し、親が資源不足の時には娘に多く投資したほうが結果的に残せる遺伝子は多くなると主張します。


事実、父親の社会経済的地位(socioeconomic status)と子どもの教育年数を比べると、社会経済的地位が低い父親の場合は娘の方が教育年数が長く、父親の社会経済的地位が高くなるにつれて娘より息子の方が教育年数が長くなるという統計結果も存在します。


親の資源が豊富かどうかは離婚しているかどうかに大きく左右されるという側面もあることから、離婚家庭においては"賭け"である息子に投資するよりも"安全な"娘に投資する方が得だと考えられています。


つまり、息子(男性)は繁殖に成功すれば娘(女性)よりもはるかに多くの子孫を残せる可能性が高いが、娘(女性)は繁殖に失敗する可能性が男性よりも少ないので親はその時の資源状況に応じて投資量を変化させているというわけです。


参考文献:


Barber, N. (1998). Sex Differences in Disposition Towards Kin, Security of Adult Attachment, and Sociosexuality as a Function of Parental Divorce. Evolution and Human Behavior, 19(2), 125-132. doi:10.1016/s1090-5138(98)00004-x


Hopcroft, R. (2005). Parental Status and Differential Investment in Sons and Daughters: Trivers-Willard Revisited. Social Forces,83(3), 1111-1136. Retrieved September 2, 2020, from http://www.jstor.org/stable/3598271

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