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男女の賃金格差を説明する別の要因ー失業の回避ー

失業の回避の性差


失業の回避が男女の賃金格差とどう関係するのか調べた2018年の研究
男性よりも女性の方が(失業のリスクという点で)安全な仕事を選ぶ傾向にあった
失業のリスク回避は男女の賃金格差の40%から77%を説明する

男女の賃金格差を説明する要因は数多く研究されてきました。


今回は、失業に焦点を当ててみましょう。


職業によって失業する確率が異なることは直感的に正しそうですが、男性と女性どちらの方が失業のリスクを嫌うのでしょうか?


失業の回避が男女の賃金格差とどう関係するのか調べた2018年の研究では、実験室実験を行うことにより、失業の回避の影響を調べています。


実験室実験の良いところは、統制したい変数を統制できることで(手法によっては)未知の変数も統制することが可能だと言われています(その分、一般化可能性は犠牲になることが多いですが)。


その結果、男性よりも女性の方が(失業のリスクという点で)安全な仕事を選ぶ傾向にあり、失業のリスク回避は男女の賃金格差の40%から77%を説明することがわかりました。


この実験デザインではそもそもの男女の賃金格差を生じさせる要因(差別や職業分離、性別による支払額の違いなど)は設定されていませんでしたが、失業リスクは男女の賃金格差に大きな影響を及ぼしたわけです。


参考文献:


Jung, S., Choe, C., & Oaxaca, R. L. (2018). Gender wage gaps and risky vs. secure employment: An experimental analysis. Labour Economics, 52, 112-121.

*全ての記事は科学的な知見に基づくものであり、一部の人に不利になるような思想を助長させるものではありません。

*全ての記事の内容は新たな知見等により、多少の修正が必要な場合や正反対の見解が正しいとされる場合もあります。

​*全ての記事は正確さの担保の為に、出来るだけ多くの引用や参考文献を紹介しますが、最終的な正確さの判断はご自身でなさってください。

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