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チンパンジーの手助け

  • 執筆者の写真: 日本進化心理学IHAセンター
    日本進化心理学IHAセンター
  • 2022年2月18日
  • 読了時間: 2分

他者のリスク評価と手助けの有無


チンパンジーが相手の情報を考慮してコミュニケーションを調整するか確かめた研究
野生のチンパンジーは他のチンパンジーが危険に気づいていない時により多くの警戒音を発することが判明
チンパンジーは他者の視点を十分に認識し、無知なグループメンバーに向けて情報を発信することができる

皆さんはチンパンジーが他者の状態を推測して行動できると思いますか?


私たちは、くしゃみをしている人がいれば風邪薬を、泣いている人がいたら慰めをというように、他者の状態を推測して行動します。


実際に、チンパンジーが相手の情報を考慮してコミュニケーションを調整するか確かめた2017年の研究があるので見てみましょう。


この研究によると、野生のチンパンジーは他のチンパンジーが危険に気づいていない時により多くの警戒音を発することが判明しました。


これは、チンパンジーが他者の視点を十分に認識し、無知なグループメンバーに向けて情報を発信することができるということを意味しています。


なぜなら、チンパンジーが単に危険に気づいた時に他者にアラームコール(警戒音)を発しているのなら、他のチンパンジーが危険に気づいている時といない時では同じ頻度でアラームコールが発せられるはずだからです。


私たちヒトだけができると思われた能力の多くは実際には他の生物とシェアしている能力なのかもしれません。


参考文献:


Crockford, C., Wittig, R. M., & Zuberbühler, K. (2017). Vocalizing in chimpanzees is influenced by social-cognitive processes. Science Advances, 3(11), e1701742.

 
 

*全ての記事は科学的な知見に基づくものであり、一部の人に不利になるような思想を助長させるものではありません。

*全ての記事の内容は新たな知見等により、多少の修正が必要な場合や正反対の見解が正しいとされる場合もあります。

​*全ての記事は正確さの担保の為に、出来るだけ多くの引用や参考文献を紹介しますが、最終的な正確さの判断はご自身でなさってください。

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