身体的類似性と家庭内暴力
子どもが自分に似ていると感じる父親は子どもと良い関係を築ける可能性が高い
子どもが自分に似ていると感じない父親は家庭内暴力をする可能性が高い
さまざまな統計が公開されてきたおかげで、家庭内暴力の全容が近年では明らかになりつつあります。
もちろん、どの年代、性別でも家庭内暴力は起きるものですが、今回は男性の家庭内暴力について考えてみましょう。
妻への暴力では女性が若い場合に家庭内暴力の被害者になりやすいという話を紹介しました。
今回は少し趣向を変えて、女性側にも落ち度があるのかもしれないということを考えてみましょう。
ある研究では、男性とその子どもがどれだけ似ているのか(類似性)を手掛かりに、男性がどのような行動を取るのかを調べました。
その研究によると、子どもが自分に似ていると感じる父親は子どもと良い関係を築ける可能性が高いことがわかりました。
子どもが自分に似ているということは、自分の子である可能性が高い(女性が生んだ子は自分の子でない可能性が常にある)ので、より多く投資しようという動機が働くということです。
さらに、子どもが自分に似ていると感じない父親は家庭内暴力をする可能性が高いということもわかりました。
つまり、子どもが自分に似ていない→自分の遺伝子を受け継いでいない→家庭内暴力という構図になります。
男性の家庭内暴力と聞くと、100%男性が悪いように聞こえますが、自分の子どもでなければ育てる意味がなく、むしろ自分の子ども以外を育ててこなかった種というのが私たちヒトなのです。
男性も自分の遺伝子を残すのに必死というわけです。
参考文献:
Burch, R. L., & Gallup, G. G. (2000). Perceptions of paternal resemblance predict family violence. Evolution and human behavior : official journal of the Human Behavior and Evolution Society, 21(6), 429–435. https://doi.org/10.1016/s1090-5138(00)00056-8
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