怒りの表情と強さ
怒った顔の人は強い人だと認識されやすい
怒った顔の人は他者との交渉において有利になりやすいということ
怒った顔の人は恐いですか?
なんだか、文章として成り立っているのかも分からないような質問です。
当たり前です。
怒っている人は恐いです。
なぜ、怒りの表情は進化の上で発達してきたのでしょうか?
怒りの表情を形成する主要な筋肉を調査したある研究によると、どうやら怒った顔の人は他者から強い人だと認識されやすいことがわかりました。
つまり、ある人となにか交渉をする際(食物の取り合いや配偶者の取り合い)、その人が自分のことを手強い相手だなと認識してくれると有利に物事を運べます。
したがって、進化の中で怒った顔というのが発達してきたというわけです(怒る側にもメリットがあるし、それを評価する側にも無益な争いを避けられるというメリットがある)。
怒った顔は単に「あなたに対して攻撃をするよ」ということを示しているのではなく、「今怒ってるんだよ、どうする?僕って手強いでしょ?」ということを示すことによって、相手より優位に立てるようにする戦略なのです。
参考文献:
Sell, Aaron & Cosmides, Leda & Tooby, John. (2014). The human anger face evolved to enhance cues of strength. Evolution and Human Behavior. 35. 10.1016/j.evolhumbehav.2014.05.008.