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何もしていないのに...

不平等嫌悪と罰


お金が盗まれると盗んだ人を罰したいと思うようになる
例えお金を盗まれなくても、所持金に不平等が確認できれば、相手を罰したいと思うようになる
「罰を与えたい」という動機は違反者だけでなく、自分より競争上有利な人物に対しても向けられているということ

子どものころは無邪気に「お金持ちになりたい」とか「有名になりたい」と思うものですが、大人になるとそうもいきません。


これには、周囲からの嫉妬や妬みなどが原因ということがよくあります。


「君には無理だ」とか「そんなにお金儲けが楽しいの?」とか努力してお金を稼いでいる人への視線はしばしば冷たいものがあります。


私たちはなぜ「お金持ち」に対して冷たい視線を浴びせようとするのでしょうか?


2020年に行われた研究から、ヒトが他者を罰したいと思う動機について進化的に興味深い説明がなされています。


この研究では、参加者はペアになり、一方がお金を盗んだり、稼いだりする状況が設定され、もう一方がどのような状況で相手を罰したいと思うかということに着目しました。


結果から述べると、「お金が盗まれると盗んだ人を罰したいと思うようになる」ということがまず判明しました。


これは、当然のことかもしれません。


私たちは違反者(お金を盗んだり、ルールを破る人など)に対して「罰したい」という心が備わっているのです。


この研究が興味深いのは、もう1つの結果です。


どうやら、「例えお金を盗まれなくても、所持金に不平等が確認できれば、参加者は相手を罰したいと思うようになる」ようです。


これは、単に罰が違反者を更生させたり、排除したりということで行われるのではなく、不平等を是正する為に行われる可能性があることを示しています。


つまり、私たちの「罰を与えたい」という動機は違反者だけでなく、自分より競争上有利な人物に対しても向けられているということです。


祖先の環境では、単に自分より競争上有利である人を罰してきた人たちの方が、そうでない人たちよりも生存もしくは繁殖において有利だったのでしょう。


参考文献:


Deutchman, Paul & Bračič, Mark & Raihani, Nichola & McAuliffe, Katherine. (2020). Punishment is strongly motivated by revenge and weakly motivated by inequity aversion. Evolution and Human Behavior. 10.1016/j.evolhumbehav.2020.06.001.

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