配偶価の不一致と許し
自分よりパートナーの方が配偶者としての価値が高ければ、パートナーに傷つけられても許す可能性が高い
同様に、パートナーの方が配偶者としての価値が高ければ、嫉妬する可能性が高い
よく、「恋愛は好きになった方が負け」と言いますが、これは本当なのでしょうか?
悪い男に捕まった女友達を気遣うような場面でよく言われそうなこのセリフを進化心理学的な観点から考えてみましょう。
2007年の研究では、自分とパートナーの配偶価の差とそれが許しと嫉妬に及ぼす関係が調査されました。
配偶価とは、英語では「Mate Value」と言い、その名の通り配偶者としての価値を意味します。
これには、繁殖能力や遺伝子の資質などさまざまなものが含まれます。
研究結果によると、どうやら自分よりパートナーの方が配偶者としての価値が高ければ、パートナーに傷つけられても許す可能性が高いようです。
つまり、デートをキャンセルされたり、浮気をされて傷ついた時に相手を許すかどうかは、相手が自分よりも配偶者として価値が高いかどうかにかかっているわけです。
同様に、パートナーの方が配偶者としての価値が高ければ、嫉妬する可能性が高いこともわかりました。
ここでも、配偶価が高いかどうかが問題となります。
相手の配偶価が自分より高ければ、嫉妬心を抱くのですが、これは嫉妬心を抱くことがその後の配偶者保持行動(パートナーを手放さないようにする行動)に役立つ為だと考えることが出来ます。
全てのヒトが自分と同じレベルの異性を好きにならなければ、悪い男(女)に捕まる女(男)がいなくならないのは当然かもしれません。
参考文献:
Robert J. Sidelinger & Melanie Booth–Butterfield(2007)Mate Value Discrepancy as Predictor of Forgiveness and Jealousy in Romantic Relationships,Communication Quarterly,55:2,207-223,DOI: 10.1080/01463370701290426
Buss, D. M., & Shackelford, T. K. (1997). Susceptibility to infidelity in the first year of marriage. Journal of Research in Personality, 31(2), 193–221. https://doi.org/10.1006/jrpe.1997.2175