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抗菌としての香辛料

  • 執筆者の写真: 日本進化心理学IHAセンター
    日本進化心理学IHAセンター
  • 2023年9月13日
  • 読了時間: 2分

スパイスの抗菌仮説と4つの代替仮説


36ヵ国の肉料理における43種類のスパイスの使用頻度を調べる為に93冊の料理本から合計4578のレシピを分析した1998年の研究
年間平均気温が上昇するにつれて、(1)スパイスを含むレシピの割合、(2)レシピあたりのスパイスの数、(3)使用されるスパイスの総数、(4)最も強力な抗菌作用を持つスパイスの使用のすべてが、国内でも国間でも増加
4つの代替仮説(スパイスが追加の栄養素を提供する、腐敗した食品の味と匂いを隠す、 身体を冷やす、スパイスは何の効果ももたらさない)は支持されなかった

大型スーパーへ行くと、小さな瓶に入った香辛料(スパイス)がたくさん並んでいますが、なぜ私たちはスパイスに惹かれるのでしょうか?


36ヵ国の肉料理における43種類のスパイスの使用頻度を調べる為に93冊の料理本から合計4578のレシピを分析した1998年の研究を見てみましょう。


この研究では、年間平均気温が上昇するにつれて、(1)スパイスを含むレシピの割合、(2)レシピあたりのスパイスの数、(3)使用されるスパイスの総数、(4)最も強力な抗菌作用を持つスパイスの使用のすべてが、国内でも国間でも増加することがわかりました。


この研究が面白く、そして重要だと言えるのは、4つの代替仮説(スパイスが追加の栄養素を提供する、腐敗した食品の味と匂いを隠す、 身体を冷やす、スパイスは何の効果ももたらさない)を同時に検討しており、最もデータに当てはまる仮説を採用しているところです。


究極的には、「スパイスは抗菌作用があるから肉料理によく使われる」ということがこの研究で支持された結論です。


参考文献:


Billing, J., & Sherman, P. W. (1998). Antimicrobial functions of spices: why some like it hot. The Quarterly review of biology, 73(1), 3-49.

 
 

*全ての記事は科学的な知見に基づくものであり、一部の人に不利になるような思想を助長させるものではありません。

*全ての記事の内容は新たな知見等により、多少の修正が必要な場合や正反対の見解が正しいとされる場合もあります。

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