top of page

高カロリーな食べ物は異常?

  • 執筆者の写真: 日本進化心理学IHAセンター
    日本進化心理学IHAセンター
  • 2023年11月14日
  • 読了時間: 2分

カロリー推定と進化的ミスマッチ


ヒトは高カロリーな食べ物に対するカロリー推定が苦手なのではないか?ということを検証した2018年の研究
前提:人類は低カロリーの食べ物(通常1.75kcal/g未満)を摂取して進化してきた
結果:低カロリーな食べ物のカロリー推定は直線的だが、高カロリーな食べ物のカロリーは過小評価された
進化的に異常な(高カロリーな)食べ物を評価するのに適応していないことを示唆

Evolutionary Mismatch(進化的ミスマッチ)の話は進化心理学の中でも非常の独創的で面白いものに溢れています。


これは、進化の過程で形成された特定の形質や行動パターンが、急激に変化した環境の中で不適応を引き起こしている、あるいは非効率的になる状況を指します


例えば、現代人に太り過ぎな人が多いことなどがこの仮説で説明されることが多いかと思いますが、今回はカロリー推定についてです。


ヒトは高カロリーな食べ物に対するカロリー推定が苦手なのではないか?ということを検証した2018年の研究を見てみましょう。


前提として、この研究では人類は低カロリーの食べ物(通常1.75kcal/g未満)を摂取して進化してきたと考えています(推定にはもちろん幅がありますが...)。


参加者に様々な食べ物のカロリー推定をしてもらったところ、低カロリーな食べ物のカロリー推定は直線的だが、高カロリーな食べ物のカロリーは過小評価されたことがわかりました。


この結果から、ヒトは進化的に異常な(高カロリーな)食べ物を評価するのに適応していないことを示唆されたわけです。


「高カロリーな食べ物を高カロリーだと推定できていない」というのはなかなか面白い見方だと思いますし、こういう研究がまさに進化的ミスマッチが提供する興味深い洞察なのかなと思います。


参考文献:


Brunstrom, J. M., Drake, A. C., Forde, C. G., & Rogers, P. J. (2018). Undervalued and ignored: Are humans poorly adapted to energy-dense foods?. Appetite, 120, 589-595.

 
 

*全ての記事は科学的な知見に基づくものであり、一部の人に不利になるような思想を助長させるものではありません。

*全ての記事の内容は新たな知見等により、多少の修正が必要な場合や正反対の見解が正しいとされる場合もあります。

​*全ての記事は正確さの担保の為に、出来るだけ多くの引用や参考文献を紹介しますが、最終的な正確さの判断はご自身でなさってください。

​合同会社 日本進化心理学IHAセンター ALL RIGHTS RESERVED

  • Twitterの社会のアイコン
bottom of page