欺くことは“悪い”ことなのか?
幼児が欺くことを学ぶことにメリットがあるのか調べた2018年の研究
ゲームに勝つために相手を欺く方法を教えられた子どもは騙す能力が向上しただけでなく、実行機能と心の理論の能力も向上することが判明
子どもは毎日多くのことを学びますが、嘘をつくことを学び始めると、大人はついつい「嘘はいけない」と教えてしまうものです。
もちろん、嘘を付いてはいけない場面はたくさんあると思いますが、全ての嘘が本当に悪いと言い切れるのでしょうか?
幼児が欺くことを学ぶことにメリットがあるのか調べた2018年の研究によると、ゲームに勝つために相手を欺く方法を教えられた子どもは騙す能力が向上しただけでなく、実行機能と心の理論の能力も向上するようです。
ちなみに、実行機能とは複雑な課題を遂行する為に必要な認知システムのことで、この研究では子どもは「月」のカードを見た時には「DAY」と言い、「太陽」のカードを見た時には「NIGHT」と言う必要がありました。
つまり、相手を欺く能力というのは何も悪いことばかりではなく、認知能力の向上を促すこともあるということが実験的に確かめられたわけです。
参考文献:
Ding, X. P., Heyman, G. D., Sai, L., Yuan, F., Winkielman, P., Fu, G., & Lee, K. (2018). Learning to deceive has cognitive benefits. Journal of Experimental Child Psychology, 176, 26-38.
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