加害者と被害者の性別の組み合わせと警察への通報
加害者と被害者の性別の組み合わせと被害者が警察へ通報すべきかどうかという態度の関係を調べた2009年の研究
他の性別の組み合わせによる暴力よりも、人々は男性による女性への暴力をより非難し、被害者は警察に通報すべきと考える傾向
皆さんは暴力が発生した時に、被害者が警察へ通報することをどれだけ進めますか?
どんな暴力でも通報すべきと考える人にとってはおかしな質問かと思うかもしれませんが、暴力が発生した時に被害者が警察へ通報すべきかどうかは加害者と被害者の性別によって変化します。
どういうことか、詳しく見てみましょう。
加害者と被害者の性別の組み合わせが警察へ通報するかどうかという態度に影響するか調べた2009年の研究によれば、人々は他の性別の組み合わせによる暴力よりも、男性による女性への暴力をより非難し、被害者が警察に通報することを支持する傾向がありました。
男性と女性にはそもそも身体的な性差が存在しますので、身体的に優位な男性による身体的に劣位な女性への暴力は、人々の目により危険と映りやすいことが被害者が警察へ通報することの支持を促すのかもしれません(実際、女性による女性の暴力も被害者が警察へ通報することは、男性が加害者の場合と比べてそこまで支持されませんでした)。
「被害者が誰であれ、暴力が発生した時は(被害者は)警察へ通報すべきだ!」というのが理想かもしれませんが、現実には人々はそう考えていないのかもしれないということが明らかにされた研究です。
参考文献:
Felson, R. B., & Feld, S. L. (2009). When a man hits a woman: Moral evaluations and reporting violence to the police. Aggressive Behavior: Official Journal of the International Society for Research on Aggression, 35(6), 477-488.