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免疫システムと意思決定

炎症と即時のエネルギー


炎症は衝動的な意思決定と関連あり
即時のエネルギーが必要であり、将来の生存率の減少を暗示する反応(炎症)は現在に焦点を当てた意思決定を促すということ

炎症になると、肌が赤みを帯びたり、腫れたりします。


大抵は、すぐに治るので、多くの人は気にも留めませんが、実は炎症は衝動的な意思決定と関連があることがわかっています。


これは、なぜでしょうか?


多くの場合気にも留めない炎症がなぜ私たちの衝動的な意思決定を促すのでしょうか?


これには、炎症(免疫システム)もコストがかかる反応ということが関係しています。


つまり、即時のエネルギーが必要であり、将来の生存率の減少を暗示する反応(炎症)は、エネルギーが必要なのは将来ではなく、現在であるということを意味します。


私たちが、銀行にお金を預けたり、資産を長期的に運用するのは、お金が必要なのは現在ではなく、すぐには死なない(長期的な利益を受け取れる)と考えるからです。


生物学的には同じことが言えます。


つまり、衝動性を抑えて、長期的な利益を得ようとするのは、現在のエネルギー消費が十分に賄われており、長期的にも生存する可能性が高いからだと言えます。


しかし、免疫システムが病気などに対処しているということ(炎症)は無意識であれ、私たちの体が即時のエネルギーを欲し、わずかでも将来の生存確率が下がることを意味します。


そのような状況では、衝動性を抑えた長期的な利益を受け取るまで生きることが難しい可能性が高いと考えられます。


このようにして、免疫システムは私たちの意思決定に影響を与えているのです。


参考文献:


Gassen, J., Makhanova, A., Maner, J.K. et al. Experimentally-Induced Inflammation Predicts Present Focus. Adaptive Human Behavior and Physiology5, 148–163 (2019). https://doi.org/10.1007/s40750-019-00110-7


Gassen, J., Prokosch, M.L., Eimerbrink, M.J. et al. Inflammation Predicts Decision-Making Characterized by Impulsivity, Present Focus, and an Inability to Delay Gratification. Sci Rep9, 4928 (2019). https://doi.org/10.1038/s41598-019-41437-1

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