異なるモダリティの記憶力
聴覚記憶は視覚記憶や触覚記憶と比べて忘れやすい
似たようなパターンが他の霊長類でも見られることから、聴覚刺激の記憶力が悪いのは進化に原因がある可能性があるということ
曲の始まりを聞いて、曲名を当てるというイントロクイズ皆さんはやったことありますか?
同世代の友人とやると意外に盛り上がるこのクイズですが、その醍醐味は正解を知った時に感じる「あ〜それだったか!」という感情ではないでしょうか?
どうやら私たちがその感情を楽しめるのは、正解を見つけるのがなかなか難しいからなのかもしれません。
2014年の研究によると、私たちの聴覚記憶は視覚記憶や触覚記憶と比べて忘れやすいことがわかりました。
さらに、似たようなパターンが他の霊長類でも見られることから、聴覚刺激の記憶力が悪いのは進化に原因がある可能性があります。
私たち霊長類に求められていた(進化の上でより適応的だった)能力は視覚や触覚であり、聴覚ではなかったということでしょう。
参考文献:
Bigelow, J., & Poremba, A. (2014). Achilles' ear? Inferior human short-term and recognition memory in the auditory modality. PloS one, 9(2), e89914. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0089914
Scott, B. H., Mishkin, M., & Yin, P. (2012). Monkeys have a limited form of short-term memory in audition. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 109(30), 12237–12241. https://doi.org/10.1073/pnas.1209685109