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子どもを産むことと子どもが生きること

出生率と生存率の関係


出生率と子どもの生存率の関係を調べた2012年の研究
サハラ以南のアフリカ27カ国における出生率と子どもの生存率の間には強固な負の関係が見られる

進化心理学の分野では量と質のトレードオフの関係が積極的に議論されることがあります。


今回はそんなトレードオフの関係の中から、子どもの数と「質」について考えてみましょう。


出生率と子どもの生存率の関係を調べた2012年の研究によると、サハラ以南のアフリカ27カ国における出生率と子どもの生存率の間には強固な負の関係が見られました。


つまり、出生率が高くなると、それぞれの子どもの生存率が減少するというわけです(この研究では親の投資に対する子どもの競争(資源をめぐるきょうだい間の競争)によって生存率の低下が主に説明されると結論づけている)。


この研究でも述べられていますが、観察された繁殖力の値は最適値と大きくかけ離れているようなので、生殖にかかる隠されたコストを探すことが今後の研究では求められるでしょう(詳しくは下記の文献を参照ください)。


参考文献:


Lawson, D. W., Alvergne, A., & Gibson, M. A. (2012). The life-history trade-off between fertility and child survival. Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences, 279(1748), 4755-4764.

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