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顔を見るか体を見るか

男性の条件依存的な適応


女性の生殖に関する手がかりは顔よりも身体から得られるという仮説を検証した2010年の研究
短期交際条件では、長期交際条件と比較して、有意に多くの男性が体の箱を取り除いた

異性を目の前にした時、男性と女性はどちらも同じように相手の顔と体を見るのでしょうか?


また、その可能性は何かの要因によって変化するのでしょうか?


女性の顔よりも身体から生殖に関する手がかりが得られるという仮説を検証した2010年の研究を見てみましょう。


この研究では、男女の参加者に異性の画像を提示しました。


その際、異性の画像は顔と体がそれぞれ箱で隠されていました。


参加者は片方の箱だけを取り除いて短期的/長期的な交際の意思を決定するよう指示されました(短期的な交際条件では生殖の手がかりが豊富な体により関心があると思われる)。


その結果、短期交際条件では、長期交際条件と比較して、有意に多くの男性が体の箱を取り除きました。


つまり、男性は長期的な交配状況では顔の手がかりを優先し、短期的な交配状況では体の手がかりを優先するというように、男性の顔と体の好みは条件依存的であるというわけです。


この“条件依存的”な適応戦略というのは非常に理にかなっています。


例えば、採餌行動は間違いなく適応的な行動と言えますが、捕食者が目の前にいる状況でも採餌行動を続けることは不適応でしょう。


つまり、適応的な行動はどんな時でもその行動をするのが適応的というわけではなく、適切な状況において、適応的な行動は適応問題を解決するのに適しているのです。


したがって、適応的な戦略がどのような要因によって変化するのかを調べるのはとても重要でしょう。


参考文献:


Confer, J. C., Perilloux, C., & Buss, D. M. (2010). More than just a pretty face: Men's priority shifts toward bodily attractiveness in short-term versus long-term mating contexts. Evolution and Human Behavior, 31(5), 348-353.

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