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コアラと微生物

ユーカリを消化できるわけ


コアラの赤ちゃんは母親の糞を食べる
これは、ユーカリの毒を分解できる微生物を母親から受け継ぐ為

尿や糞などの排泄物は私たちに嫌悪感を抱かせます。


これは、病原体回避として考えられており、私たちを病気から守るのに役立っています。


しかし、全ての動物が同じように排泄物を避けるわけではありません。


例えば、コアラの赤ちゃんは母親の糞を食べることが知られています。


もちろん、進化論が予測するようにメリットがなければ、このようなことはしません。


実は、コアラの赤ちゃんの食糞行動には素晴らしい利点があるのです。


コアラはユーカリを主食とするのですが、これはユーカリの毒を分解できる微生物を体内で飼っています。


しかし、この微生物は生まれたばかりの赤ちゃんには存在せず、母親から受け継がなければなりません。


したがって、ユーカリを食べれるようになる為にコアラの赤ちゃんは母親の糞を食べるわけです。


ヒトとは違う動物の生態を観察してみると、それぞれの動物がそれぞれの環境で適応するために行動を変化させてきたことがわかるというわけです。


参考文献:


Curtis, V., de Barra, M., & Aunger, R. (2011). Disgust as an adaptive system for disease avoidance behaviour. Philosophical transactions of the Royal Society of London. Series B, Biological sciences, 366(1563), 389–401. https://doi.org/10.1098/rstb.2010.0117


Blyton, M.D.J., Soo, R.M., Whisson, D. et al. Faecal inoculations alter the gastrointestinal microbiome and allow dietary expansion in a wild specialist herbivore, the koala. anim microbiome1, 6 (2019). https://doi.org/10.1186/s42523-019-0008-0


Osawa, R., Blanshard, W. H., & Ocallaghan, P. G. (1993). Microbiological studies of the intestinal microflora of the koala, Phascolarctos-cinereus. 2. Pap, a special maternal feces consumed by juvenile koalas. Australian journal of zoology, 41(6), 611-620.

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