視認しにくい条件下でのヘビの検出
ヒトは困難な視覚条件下でもヘビに対する感度が高いのかランダムなノイズを画像に含ませて確かめた2016年の研究
ヘビは危険でない動物(鳥、猫、魚など)よりも正確に識別されることが判明
進化心理学の分野でよく言われる仮説の中に、「祖先の環境で捕食者であったヘビに対する感度がヒトは高い」というものがあります。
つまり、ヒトはヘビを素早く検出することに優れているということです。
今回はそんなヘビ検出について興味深い実験を行った研究のご紹介です。
この研究では困難な視覚条件下でもヒトはヘビに対する感度が高いのかを調べる為に、画像にランダムなノイズを含ませて参加者に識別させました。
すると、ヘビは危険でない動物(鳥、猫、魚など)よりも正確に識別できることがわかりました。
捕食者が獲物から身を隠す為にカモフラージュを行うということを考えると、カモフラージュと同等の機能を持つと推測されるランダムなノイズを含んだ画像においても、ヒトがヘビを危険でない動物よりも正確に識別できるというこの研究の結果は冒頭の仮説をより補強するものでしょう。
参考文献:
Kawai, N., & He, H. (2016). Breaking snake camouflage: Humans detect snakes more accurately than other animals under less discernible visual conditions. PLoS One, 11(10), e0164342.
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