売春と生殖

「売春」が違法な国もあれば、合法な国もあります。

また、暗黙の内に認められているような国もありますが、共通していることは基本的には売春は女性が行い、男性が消費者であるということでしょう。

売春をビジネスの一環として考えるのなら、売春婦の価格はどうやって決めるのが“正しい”のでしょうか？

２０２０年に行われた研究では、売春婦の価格を調査し、その結果を進化心理学的な観点から分析しました。

この調査からは、売春婦の価格は年齢が上昇するにつれて低下することがわかりました。

つまり、若い女性ほど高く、年を重ねるにつれて価格は低下していたのです。

これは、売春婦の価格が「繁殖可能性が高い女性と繁殖したい」という男性の進化した好みを反映していると考えることで説明がつきます。

つまり、「繁殖能力が高い女性と繁殖したいという男性」は「そう思わない男性」よりも結果としてより多くの子どもを持つことになります。

さまざまな好みを含めた形質は親から子へと遺伝するので、男性は若い（繁殖能力が高い）女性と繁殖したいという進化した好みを持つことになります。

サービスの価格は需要と供給で決まりますので、男性が若い女性を望み、年を重ねた女性を好まなければ売春婦の価格は必然的に若い女性ほど高く、年齢が上がるにつれて安くなるというわけです。

いつだって、人々が望むものは高く、望まないものは安いのです。

参考文献：

Prokop, P., Dylewski, Ł., Woźna, J. T., & Tryjanowski, P. (2020). Cues of woman’s fertility predict prices for sex with prostitutes. Current Psychology, 39(3), 919-926.