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触れたくない

病気回避動機と接触の不快感


病気やあざ、切断された足や肥満などの病気に関連した手がかりを持つ人との身体的接触は不快感を引き起こす
身体障害者や肥満の人との身体的接触も不快感を引き起こすのは、“正常ではない容姿”や“健康的ではない容姿”は病気と関連している可能性がある為

“触れたくない”


私たちが瞬時にそう感じてしまう人というのはどういう人なのでしょうか?


進化心理学的には病気を回避したいという動機が他者との身体接触を避けようとする動機(触れたくない)と関連していると考えます。


この考えを支持するような結果は2013年の研究から得ることができます。


研究から、病気やあざ、切断された足や肥満などの病気に関連した手がかりを持つ人との身体的接触は不快感を引き起こすことがわかっています。


ここで大切なのは、病気やあざはともかく、切断された足を持つ人や肥満の人との身体的接触もなぜ避けられるのでしょうか?


これは、“正常ではない容姿”や健康的ではない容姿”は病気と関連している可能性がある為と考えられています。


私たちの病気回避システムは異常なものを個別に判断しているというわけではなく、正常か異常かの判断を個別の事例に対応させているというわけです。


例えば、AIDSの人を避けようという動機が進化の中で獲得したと仮定しましょう。


すると、私たちはAIDSの人を避け、AIDSにならずに済みますが、ハンセン病にかかっている人や水疱瘡にかかっている人を避けることはできません。


つまり、そうした個別の病気を一つずつ避けようとする動機は非常にコストがかかり、非効率的なのです。


しかし、ある程度“正常な容姿”や“健康的な容姿”というのを私たちが判断できれば、そのカテゴリーに合致しなければ“異常”として処理し、そういった人たち(さまざまな病気を持つ人)を避けることができます。


私たちヒトは”正常でない”ヒトを避けたいという動機を進化の中で獲得してきたので、切断せれた足を持つ人や肥満の人は感染症と直接関係が無くても、避けられてしまうというわけです。


参考文献:


Park, J. H., Van Leeuwen, F., & Chochorelou, Y. (2013). Disease-avoidance processes and stigmatization: Cues of substandard health arouse heightened discomfort with physical contact. The Journal of social psychology, 153(2), 212-228.


Klaczynski, P. A. (2008). There’s something about obesity: Culture, contagion, rationality, and children’s responses to drinks “created” by obese children. Journal of experimental child psychology, 99(1), 58-74.

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