配偶者保持行動と子どもの有無
遺伝的な子どもがいる男女はそうでない男女よりも多くの配偶者保持行動を行う
男女ともに配偶者を保持することで得られるメリットがあるということ(配偶者の不貞を防いだり、資源を提供してもらったりなど)
「子どもが巣立つと、会話が一気に無くなった」
そんな話を聞くことはありませんか?
少し前には「熟年離婚」という言葉が世の男性たちを恐怖に陥れたように、もしかすると子どもの有無と夫婦の絆というのは何か関係があるのかもしれません。
2016年の研究によると、「遺伝的な子どもがいる男女はそうでない男女よりも多くの配偶者保持行動を行う」ということがわかりました。
配偶者保持行動とは端的に言うと、配偶者との関係を維持しようとする行動と言えます。
この結果から考えられることは、「男女ともに配偶者を保持することで得られるメリットがあるということ」です。
メリットには、配偶者の不貞を防いだり、資源を提供してもらったりなどさまざまなものが考えられます。
子どもがいるとお金がかかる(より多くの資源が必要)というのは当然のことなので、子どもがいる男女の方が配偶者との関係を続けるモチベーションが高いというのは納得の結果だと思います。
「熟年離婚」は子どもがいなくなった夫婦にとっては意外と考えられる結末なのかもしれません。
参考文献:
Barbaro, N., Shackelford, T. K., & Weekes-Shackelford, V. A. (2016). Mothers and Fathers Perform More Mate Retention Behaviors than Individuals without Children. Human nature (Hawthorne, N.Y.), 27(3), 316–333. https://doi.org/10.1007/s12110-016-9261-z