死と命名の関係
子どもの命名について存在脅威管理理論から検討した2011年の研究
自分の死をイメージした参加者は将来の子どもに自分にちなんだ名前をつける可能性が高くなった
子どもがいる皆さんにお伺いします。
子どもの名前を決める時、どのように決めましたか?
子どもの理想の成長を願い、漢字に意味を持たせて名付けたのかもしれませんし、その当時流行っていた有名人の方にちなんで名前を付けたのかもしれません。
中には珍しい名前を好んで付けた方もいるかもしれません。
今回は子どもの命名について存在脅威管理理論から検討した2011年の研究を見てみましょう。
この研究によれば、自分の死をイメージした(死についてのプライミングが行われた)参加者は将来の子どもに自分にちなんだ名前をつける可能性が高くなったようです。
これは、存在脅威管理理論と呼ばれる進化心理学の中でも有名な理論によって説明されます。
つまり、ヒトは自身の存在に脅威(死)を感じるとそれを管理しようと不死の象徴であるものに投資を行おうとするというわけです。
一般的には、管理の仕方としては「自分の名前が後世まで残ってほしい」と考えたり「自分の作品が後の世まで受け継がれる」ことなどが挙げられますが、自分の死をイメージする、存在脅威が活性化されると子どもの命名に影響が出るというのは面白いポイントではないでしょうか?
参考文献:
Vicary, A. M. (2011). Mortality salience and namesaking: Does thinking about death make people want to name their children after themselves?. Journal of Research in Personality, 45(1), 138-141.
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