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一匹狼になりたがる...

権力と所属欲求


権力を持っていないと感じると所属欲求が高くなる
力の無い個体は他個体と協力して生き延びる必要があるので、力が無い時には他者との結びつきを強めたいという欲求がヒトには備わっているということ

「一匹狼」そう聞くと皆さんはどんなイメージを持ちますか?


「孤高の存在」とか「かっこいい」というようなイメージを抱く人が多いのでは無いでしょうか?


進化心理学的観点から、なぜ多くの人々は群れたがるにも関わらず、一部の人は一匹狼になりたがるのかを考えてみましょう。


2015年の研究から「権力を持っていないと感じると所属欲求が高くなる」ということがわかりました。


なぜ、権力を持たない人は所属欲求が高く、権力を持つ人は所属欲求が低いということになるのでしょうか?


祖先の環境を考えてみましょう。


生存競争が激しく繰り広げられる自然界(祖先の環境)では、ヒトは協力して生き延びる必要がありました。


特に、力の無い個体は他個体と協力して生き延びる必要があったでしょう。


しかし、「仲間と狩りをしたり」「争いあったり」集団で生きることは良いことだけでなく、悪いこともあります。


したがって、力のある個体は自分の力で生き延びていけるのであれば、そこまで強く集団に執着する必要が無いわけです。


「力が無い時には他者との結びつきを強めたい」という欲求がヒトには備わっていると考えると、一匹狼になりたがるのは「力のある個人」と考えることができるでしょう。


参考文献:


Case, C. R., Conlon, K. E., & Maner, J. K. (2015). Affiliation‐seeking among the powerless: Lacking power increases social affiliative motivation. European Journal of Social Psychology, 45(3), 378-385.

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