戦争と平和とリーダー
戦争時には男性的な顔をしたリーダーが好まれ、平和な時には女性的な顔をしたリーダーが好まれる
男性的なリーダーシップと女性的なリーダーシップはそれぞれに望まれる役割が異なるということ
「リーダー」と聞くと皆さんはどのようなイメージを持ちますか?
力強い男性的なリーダーをイメージする方もいれば、優しく包み込む女性的なリーダーをイメージする方もいると思います。
今回は、好まれるリーダー像は環境によって変化するということを考えてみましょう。
2012年の研究から、「戦争時には男性的な顔をしたリーダーが好まれ、平和な時には女性的な顔をしたリーダーが好まれる」ということがわかりました。
これは、「戦争時には男性的なリーダーシップが求められ、平和な時には女性的なリーダーシップが好まれる」ということを意味しています。
この結果を理解するには、戦争時と平和な時にリーダーに求められる要素が異なることを踏まえる必要があります。
戦争時にはグループ間対立が起こっているので、より力強く支配的なリーダーが相応しいでしょう。
反対に、平和な時にはそこまで支配的なリーダーは必要とされず、むしろ平和的に協調できるリーダーが相応しいでしょう。
それぞれに関連するホルモンがテストステロン(戦争時)とエストロゲン(平和な時)です。
つまり、テストステロンが高い人というのは男性的な顔、エストロゲンが高い人は女性的な顔をしますので、リーダーに求める行動が支配的であれば、求めるリーダーはより男性的な顔をしているべきで、リーダーに求める行動が協調的であれば、求めるリーダーはより女性的な顔をしているべきというわけです。
これからの時代に必要なのは、より男性的な顔をしたリーダーなのか、より女性的な顔をしたリーダーなのか、考えてみると面白いかもしれません。
参考文献:
Spisak, B. R., Dekker, P. H., Krüger, M., & Van Vugt, M. (2012). Warriors and peacekeepers: Testing a biosocial implicit leadership hypothesis of intergroup relations using masculine and feminine faces. PloS one, 7(1), e30399.