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追い求めすぎると...

  • 執筆者の写真: 日本進化心理学IHAセンター
    日本進化心理学IHAセンター
  • 2021年4月26日
  • 読了時間: 2分

物質主義と繁殖


物質主義的価値観が高い人は結婚に対して否定的であり、子どもを多く持ちたいと思わない傾向がある
現代社会では高級品はすぐに新しい高級品に取って代われれる為、地位を示すのに役立つ消費はキリが無く、むしろ繁殖を犠牲にする不適応を招く可能性があるということ

「せっかく新しいスマホを買ったのに、すぐに新機種が出てしまった」


皆さんはそんな経験ありませんでしょうか?


そもそも、私たちが実用性を超えた商品(高級車や宝石、高級なスマホなど)を購入する理由は、それらを購入することが他者に対して高い地位や資源をアピールすることになるから(顕示的消費)です。


しかし、現代社会では高級品はすぐに新しい高級品に取って代われれるので、地位を示すのに役立つ顕示的消費(見せびらかしの消費)はキリが無く、むしろ繁殖を犠牲にする不適応を招く可能性があります。


なぜなら、高級品を購入する為に必要なお金を稼ぐ時間や、それを購入する為に使ってしまったお金は、もう次の世代に子を残す為に使うことができないからです。


この考え方を支持するように、2015年の研究によると物質主義的価値観が高い人は結婚に対して否定的であり、子どもを多く持ちたいと思わない傾向があるということがわかりました。


祖先の環境では、高い地位を示したり、資源を獲得する能力を示すことは繁殖相手を獲得する為に非常に有効な戦略だったでしょう。


しかし、現代社会のようにいくら稼いでもキリが無い、というような環境では私たちが祖先の環境で進化させてきた「他者に資源や地位を見せびらかしたい」という感情がむしろ子どもを持つことを犠牲にさせてしまっているというわけです。


お金を稼ぐ本来の目的を忘れない程度に働きましょうというわけです。


参考文献:


Li, N. P., Lim, A. J., Tsai, M. H., & O, J. (2015). Too materialistic to get married and have children?. PloS one, 10(5), e0126543. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0126543

 
 

*全ての記事は科学的な知見に基づくものであり、一部の人に不利になるような思想を助長させるものではありません。

*全ての記事の内容は新たな知見等により、多少の修正が必要な場合や正反対の見解が正しいとされる場合もあります。

​*全ての記事は正確さの担保の為に、出来るだけ多くの引用や参考文献を紹介しますが、最終的な正確さの判断はご自身でなさってください。

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