父性の確信度と父性の不確実性
父性の確信度と実際の父性について67件の研究をまとめて分析した2006年の研究
父性の確信度が高いサンプルで父親でない割合は約2%、確信度が不明な場合は約17%、確信度が低い場合は約30%
父親の皆さん、生まれてきたお子さんは本当に自分の子だと言えますか?
実は、父性の不確実性、つまり父親と子どもに遺伝的つながりがないことに関する研究は数多くありますが、その推定値は大きく異なります。
今回はなぜ推定値が研究ごとに異なるのか、ということを踏まえて考えてみましょう。
父性の確信度と実際の父性について67件の研究をまとめて分析した2006年の研究によると、父性の確信度が高いサンプルで父親でない割合は約2%、確信度が不明な場合は約17%、確信度が低い場合は約30%ということがわかりました。
これほど大きく推定値が異なるのは、扱っているサンプルが異なることはもちろんですが、それぞれの研究のデータの取り方が影響しています。
例えば、ランダムに参加者を集めて父子鑑定を行う場合と、父子鑑定を行いたいと鑑定所にやってくる場合では、後者の方が父親が子どもとの遺伝的関連性を疑っていることは容易に想像がつくでしょう。
近年では心理学の研究結果を目にする機会も多いと思いますが、研究結果を盲信することなく、データの取り方やサンプルの構成など、結果だけでなく様々な要素を比較検討することが必要というわけです。
参考文献:
Anderson, K. (2006). How well does paternity confidence match actual paternity? Evidence from worldwide nonpaternity rates. Current anthropology, 47(3), 513-520.
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