間接互恵性とは?
情けは人のためならず
突然ですが、「情けは人のためならず」という言葉の意味を知っていますか?
もしかしたら、「人に情けをかけるのは、その人のためにならない」と思っていませんか?
実はそれは間違いです。
本当の意味は「情けをかけることは巡り巡って自分のためになる」という意味です。
これは進化心理学の世界では間接互恵性という考え方です。
例えば、ヒトは匿名の場合よりも匿名でない場合の方が人助けをしたがることがわかっています。
これは、人助けをすることが個人の社会的評判を結局は高めるために起こる現象です。
あくまでも進化心理学は個人の行動が適応的かどうかに注目します。
もし、人助けが自分のためにならなければ、その個体はコストを払い続けたまま利益を得られないということなので、そういった個体は結局は遺伝子を残せず死んでしまいます。
つまり、血縁関係にもない他人を手助けしたり、何か利益を与えるということは間接互恵性などの(結局は自分のためになるという)考え方なしには説明がつかないのです。
参考文献;
Bereczkei, T., Birkas, B., & Kerekes, Z. (2007). Public charity offer as a proximate factor of evolved reputation-building strategy: an experimental analysis of a real-life situation. Evolution and Human Behavior, 28(4), 277-284. https://doi.org/10.1016/j.evolhumbehav.2007.04.002