タスクの緊急性と重要度
ヒトはタスクの重要度よりも緊急度を重要視する
未来に大きな利益をもたらす(重要な)タスクは常に不確実性を伴うので、ヒトには小さな利益でもすぐ手に入れられる(緊急的な)タスクを優先したい動機があるということ
夏休みの宿題はいつまでたっても終わらない、今週締め切りの課題をついつい後回しにしてしまう。
皆さんにはそんな経験ありませんか?
どうやら、私たちヒトは計画的に行動することがあまり得意ではない(得意である必要もない)ようです。
2018年の研究から、ヒトはタスクの重要度よりも緊急度を重要視するということが判明しました。
つまり、未来に大きな利益をもたらす(重要な)タスクは常に不確実性を伴うので、ヒトには小さな利益でもすぐ手に入れられる(緊急的な)タスクを優先したい動機があるということです。
例として考えてみましょう。
祖先の環境では半年後や1年後まで命があるかはわかりません。
病気になってしまうかもしれないし、捕食動物に襲われてしまうかもしれません。他の部族に襲われるかもしれませんし、食料が得られなくなってしまうかもしれません。
そういった不確実な状況では、果たして現在の小さな利益を犠牲にして将来の大きな利益を取ることは適応的でしょうか?
そうではないはずです。
私たちが適応してきた環境では、より大きな利益をもたらす(重要な)タスクをこなすことよりも、たとえ小さな利益であっても(緊急的な)タスクをこなすことの方が生存に役立ってきたと考えることができます。
今手に入れなければ2度と手に入らない、進化で培われてきたその考え方をスーパーでの割引セールはうまく利用しているわけです。
参考文献:
Zhu, M., Yang, Y., & Hsee, C. K. (2018). The mere urgency effect. Journal of Consumer Research, 45(3), 673-690.
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