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魅力的な乳児は...?

乳児の魅力度と母親の養育態度


魅力的な乳児ほど積極的な声かけやアイコンタクトなどの愛情深いケアを受ける可能性が高い
魅力的でない乳児ほどゲップをさせたり、汚れを拭き取るなどの定型的な子育てを受ける可能性が高い

突然ですが、乳児の子育てについて考えてみましょう。


母親はどのような乳児でも平等に子育てをするのでしょうか?


進化心理学の主張としては、母親が使えるリソース(お金や養育に使える時間など)は無限ではないので、母親は全ての乳児に対して平等に接することはありません。


1995年の研究では、この主張を支持するような結果が得られました。


乳児の魅力度を第三者が評定した後に、どのような養育を母親から受けているのか調査しました。


すると、魅力的な乳児ほど積極的に声をかけられたり、アイコンタクトをされたりと、愛情深いケアを受けていたことがわかりました。


反対に、魅力的でない乳児はゲップをさせたり、汚れの拭き取りなどの定型的な子育てを受ける可能性が高かったのです。


美男美女は長生きするのか?でも取り上げたように、魅力度と寿命には相関が見られることを考えると、母親が魅力的な(つまり生存可能性が高い)乳児を贔屓してしまうことは(適応的という意味では)しょうがないのかもしれません。


もちろん、当の母親たちは自分が無意識の内に乳児の美醜(健康の指標)で養育態度を変えているとは考えないのかもしれませんが、多くの母親と乳児の関係を比較することにより、計的な傾向がわかるわけです。


参考文献:


Langlois, J. H., Ritter, J. M., Casey, R. J., & Sawin, D. B. (1995). Infant attractiveness predicts maternal behaviors and attitudes. Developmental Psychology, 31(3), 464–472. https://doi.org/10.1037/0012-1649.31.3.464


Henderson, J. (2003). Facial attractiveness predicts longevity. Evolution and Human Behavior, 24(5), 351-356. doi:10.1016/s1090-5138(03)00036-9

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