子どもへの投資をする2つの異なるモチベーション
自分の子でなくても、パートナーを引きつけるために投資をする
父親が子育てをするのは当たり前と思う方も多いかもしれません。
しかし、哺乳類の比較研究によると、そもそも家族を形成する種類はわずか3%しかいません。
どうやら、家のことをせず、ただ働くだけの男性でも、動物の観点から分析すると良い父親になりそうです。
しかし、子育て(投資)を積極的にする父親とそうじゃない父親の差はなんでしょうか?
進化心理学的には2つの異なるモチベーションが投資をする父親にはあるようです。
1つ目は子どもが自分の子だと確信している場合です。
この場合は父親にとっては、自分の遺伝子を残せるので積極的に投資をしようとします。
しかし、自分の子かどうか不安な場合は、あまり投資をしようとしません。
他人の子を育てるのは遺伝的なメリットが0だからです。
2つ目は自分の子ではなくても、パートナーを引きつけるために投資をする場合です。
例えば、女の人が子どもを連れている場合、子どもは確実に他人の子なので、1つ目の予想だと男はその子に投資をしません。
しかし、実際は投資をする可能性が高いです。
さらに、パートナーと結婚した場合には投資が減少することもわかっています。
このことから、男はパートナーを引きつける目的でも子どもへの投資を行うと考えられています。
参考文献;
Emlen, S. T. (1995). An evolutionary theory of the family. Proceedings of the National Academy of Science, 92, 8092–8099.
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Flinn, M. V. (1992). Parental care in a Caribbean village. In B. Hewlett (Ed.), Fatherchild relations: Cultural and biosocial con texts (pp. 57–84). Chicago: Aldine.
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