確実さを取るか、リスクを取るか
メキシコユキヒメドリの研究では絶食時間が1時間であればリスクを嫌う選択(少量でも確実にもらえる餌)をし、絶食時間が4時間であればリスクを好む選択(不確実だが多くもらえる餌)をした
1日に必要なエネルギー量をリスクなしで確保できるのであればリスクを嫌い、そうでなければ一か八かの賭けに出るということ
ゴミを漁るカラスや鷹匠と鷹の連携を見ると、鳥はとても賢いことに気づきます。
鳥の賢さについて少し考えてみましょう。
1980年の古典的な研究は、ヒトだけでなく鳥がリスクと利益を天秤にかけて行動しているという賢い生き物だということを教えてくれます。
この研究では、メキシコユキヒメドリが一時的な絶食とリスクを好むか忌避するかの関係が調べられました。
絶食時間は「1時間」と「4時間」、餌は「少量だが確実にもらえる」条件と「不確実だが多くもらえる」条件が存在しました。
メキシコユキヒメドリはどのような状況でどのような条件の餌を好んだのでしょうか?
結果は、絶食時間が1時間であればリスクを嫌う選択(少量でも確実にもらえる餌)をし、絶食時間が4時間であればリスクを好む選択(不確実だが多くもらえる餌)をしました。
これは、非常に適応的なのではないでしょうか?
つまり、1日に必要なエネルギー量をリスクなしで確保できるのであればリスクを嫌い、そうでなければ一か八かの賭けに出るということです。
借金まみれの人がギャンブルで一発逆転をしようという動機と共通するものがありそうです。
堅実に返せるのであればそうするが、そうでなければ一か八かの賭けに出るしかないというわけです。
参考文献:
Caraco, T., Martindale, S., & Whittam, T. S. (1980). An empirical demonstration of risk-sensitive foraging preferences. Animal Behaviour, 28(3), 820-830.