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退化はなぜ起こる?

退化とはそもそも何か


進化と退化は対になる考え方ではない

進化の対義語は何?と聞かれたら、退化と答えてしまいそうですが、実はこれあまり正しくありません。


例えば、生物は進化の過程で目を手に入れました。


目は周囲の世界を理解する際に大きな手がかりを与えてくれます。


しかし、洞穴に住む生物には目が無い生き物も多いのです。


これだけを聞くと、元々あった目がなくなった洞穴生物たちは目が退化したのだなと思いやすいですが、この話には続きがあります。


そもそも、なぜ元々あった目が無くなるのでしょうか?


無いよりは、ある方が得ではないのでしょうか?


実は、使わないような器官を維持しておくことは、非効率的です。


自然界ではエネルギー不足は深刻な問題であり、食事によって得た貴重なエネルギーを使わないような器官にとって置くのなら、使わない器官を無くしてしまった方が得なのです。


退化という言葉の意味が元々あったものが無くなることを意味するのなら、確かに洞穴生物たちは退化したのかもしれませんが、彼らにとっては不必要なエネルギー分配を止めるために進化したのです。


参考文献;


Moran, D., Softley, R., & Warrant, E. J. (2015). The energetic cost of vision and the evolution of eyeless Mexican cavefish.Science Advances,1(8). doi: 10.1126/sciadv.1500363

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