去勢と寿命の関係
男性の方が女性よりも寿命が短い原因の1つは免疫機能を抑制する男性ホルモンの影響だと言われる
宦官(去勢された男性)は同じレベルの社会経済的地位を持つ男性よりも14〜19年長く生きたことが判明
男性は女性よりも短命です。
男性にとっては悲報かもしれませんが、この生物学的な事実はなかなか覆すことができません。
多くの研究では、「男性の方が女性よりも寿命が短い原因の1つは免疫機能を抑制する男性ホルモンの影響」だと言われています。
では、どうすれば男性も長生きできるようになるのでしょうか?
男性ホルモンが短命の原因であれば、男性ホルモンを生み出す器官(生殖器)が無ければ寿命は伸びるのでしょうか?
2012年の研究は、実際に宦官の寿命を調べてみることにより、男性ホルモンと寿命の影響を検討しています。
この研究では「宦官(去勢された男性)は同じレベルの社会経済的地位を持つ男性よりも14〜19年長生きした」ことが判明しました。
貴族や王様の平均寿命が45〜47歳の時に宦官は平均70歳まで生きたということを考えると、男性ホルモンを生み出す生殖器が無くなった影響はとても多いと言えるかもしれません。
参考文献:
Roberts, M. L., Buchanan, K. L., & Evans, M. R. (2004). Testing the immunocompetence handicap hypothesis: a review of the evidence. Animal behaviour, 68(2), 227-239.
Min, K. J., Lee, C. K., & Park, H. N. (2012). The lifespan of Korean eunuchs. Current Biology, 22(18), R792-R793.