モテる為に頑張るのか?家族を守るために頑張るのか?
- 日本進化心理学IHAセンター
- 2020年4月2日
- 読了時間: 2分
更新日:2023年6月18日
男が頑張る理由
男は結婚すると生産性が下がる
追記:
以下の記事の中の文章は次のように訂正します(2023年6月18日)。
訂正前:
既婚の50代後半(4.2%)は20代後半と同じように精力的に論文を執筆
訂正後
既婚の50代後半(4.3%)は20代後半と同じように精力的に論文を執筆
男性の皆さんに質問ですが、「結婚する為に」頑張って働きますか?それとも「結婚した後」家族を守るために頑張って働きますか?
結婚前と後ではどちらの方が男は努力するのでしょうか?
予測:
1. 結婚前の方が頑張る(モテる=繁殖成功度を高める為)
2. 結婚後の方が頑張る(すでに獲得した家族を守る為)
どうやら、「予測1. 結婚前の方が頑張る」の方が正しいようです。
研究によると以下のことがわかっています。
独身の50代後半(50%)は20代後半と同じように精力的に論文を執筆
既婚の50代後半(4.2%)は20代後半と同じように精力的に論文を執筆
独身の男性科学者の生産性のピーク→39.9歳
既婚の男性科学者の生産性のピーク→33.9歳
つまり、独身男性の方が既婚男性よりも精力的に働き続けるというようです。
さらに、子どもがいる化学者よりも子どもを持たない化学者の方が生産性が高いこともわかっています。
これは、なぜでしょうか?
進化心理学的な考え方をすれば、すぐに導き出せます。
男にとって、配偶者がいない状態(独身)の方が配偶者いる状態(既婚)よりも進化ゲームで敗者になる可能性があるので、焦り、より配偶者獲得のために頑張るモチベーションがあるでしょう。
さらに、子どもを持っている男性は子どもを持っていない男性よりも進化ゲームでは勝利を収めているので、努力するモチベーションは低いのです。
つまり、家庭を守ろうという動機よりも配偶者を獲得しなければならないという思いから男はより独身の方が努力するのでしょう。
以上の研究結果だけを見ると、独身の方が時間にゆとりがあるので既婚者よりも生産性が高くなるのではないかという指摘がありますが、この研究は18~19世紀のデータを元にしているので、今よりも男性が家事や育児に時間を割いていたとは考えられません。
よって、独身だろうが既婚だろうがある程度同じ量の時間を研究に費やせたはずです。
参考文献;
Kanazawa, S. (2000). Scientific discoveries as cultural displays: a further test of Millers courtship model.Evolution and Human Behavior,21(5), 317–321. doi: 10.1016/s1090-5138(00)00051-9
Hargens, L., McCann, J. C., and Reskin, B. F. (1978). Productivity and reproductivity: Fertility and professional achievement among research scientists.Social Forces57 (September): 154–163.