会話の難しさと協調問題
「いつ会話を終わらせるか」はヒトが解けない“協調問題”である可能性がある
実際、両方の話者が望んだタイミングで会話が終わる可能性は1.59%
両者が望んだタイミングで会話が終わることが難しいのはお互いが“いつ会話を終わりたいか”という情報を隠すからと考えられる
見知らぬ人や友人など相手によらず会話が苦になってしまう瞬間を経験した方は多いでしょう。
相手の話が「長すぎたり短すぎたり」すると私たちが意図したタイミングで会話を終えることはできないわけです。
実は「いつ会話を終わらせるか」はヒトが解けない“協調問題”である可能性があるということが指摘されています。
2021年の研究からも、実際に「両方の話者が望んだタイミングで会話が終わる可能性は1.59%」ということが判明しました。
つまり、「両者が望んだタイミングで会話が終わることが難しいのはお互いが“いつ会話を終わりたいか”という情報を隠すから」と考えられるわけです。
“協調問題”を解くことができる状況とは、お互いが正直に意図を伝えあう状況と考えられていますが、「会話をいつ終わるか?」という意図を隠したがるヒトにそのような状況を作り出すことは難しいというわけです。
会話を円滑に進めたいという思いが会話の終わりを難しくさせるわけです。
参考文献:
Mastroianni, A. M., Gilbert, D. T., Cooney, G., & Wilson, T. D. (2021). Do conversations end when people want them to?. Proceedings of the National Academy of Sciences, 118(10).