満足の遅延の違い
異なる年代に生まれた子どもたち(社会経済的背景が似ており、同じくらいの年齢)がすぐに手に入る小さな報酬を選ぶか、我慢して(遅れて)手に入る大きな報酬を選ぶか調べた2018年の研究
一般的な人々の直感とは対照的に2000年代の子どもは1960年代の子どもより平均2分、1980年代の子どもより平均1分長く待つことができた
「現代っ子は我慢できない」
ゆとり教育が始まってから、そんな言葉が大人たちから聞こえてくることがちらほらありました。
しかし、人々の直感は鋭い洞察であることもあれば、的外れな予測であることもあります。
さて、現代っ子は本当に昔の子どもたちよりも我慢できなくなっているのでしょうか?
今回は、マシュマロ・テストからこの問題について考えてみましょう。
マシュマロ・テストは研究によって若干の違いはありますが(マシュマロの代わりにクッキーが使われるなど)、基本的には子どもたちがすぐに手に入る小さな報酬(少しのクッキーなど)を選ぶか、我慢して得られる大きな報酬(多くのクッキーなど)を選ぶか確かめるものです。
2018年の研究では異なる年代に生まれた子どもたち(社会経済的背景が似ており、同じくらいの年齢)がすぐに手に入る小さな報酬を選ぶか、我慢して(遅れて)手に入る大きな報酬を選ぶか調べています。
その結果、一般的な人々の直感とは対照的に(研究1ではほとんどの人々は50年前の子どもに比べて今の子どもは長くは待たないだろうと考えていた)2000年代の子どもは1960年代の子どもより平均2分、1980年代の子どもより平均1分長く待つことができたということがわかりました。
つまり、マシュマロ・テストの結果だけで判断するのであれば、現代っ子は昔の子どもより我慢ができるということです。
参考文献:
Carlson, S. M., Shoda, Y., Ayduk, O., Aber, L., Schaefer, C., Sethi, A., ... & Mischel, W. (2018). Cohort effects in children’s delay of gratification. Developmental psychology, 54(8), 1395.
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