婚姻関係の変化とテストステロン
健康であっても加齢とともに男性のテストステロンレベルは減少する
追跡調査によると、結婚した男性はテストステロンの減少が加速するが、離婚した男性はテストステロンの減少が抑えられる
あるテレビ番組で、お笑い芸人の方が健康診断の結果を受けて、テストステロン値の減少に悩んでいる場面がありました。
そもそも、「健康であっても加齢とともに男性のテストステロンレベルは減少する」ということが多くの研究から判明しています。
独身の方が体臭がきついでは独身→結婚→親の順でテストステロン値は減少することを紹介しました。
それに関連する研究として、2017年に発表された10年間の追跡調査によると、「結婚した男性はテストステロンの減少が加速するが、離婚した男性はテストステロンの減少が抑えられる」ということがわかりました。
つまり、加齢によるテストステロンの減少以上に結婚した男性はテストステロンが減少しますが、離婚した場合はテストステロンの減少は抑えられたというわけです。
テストステロン値の減少に本当に悩んでいるのなら、離婚すればテストステロン値の減少は抑制できるわけですが、それはテストステロンの役割(配偶動機を高める)からすれば本末転倒と言えるでしょう。
参考文献:
Zirkin, B. R., & Tenover, J. L. (2012). Aging and declining testosterone: past, present, and hopes for the future. Journal of andrology, 33(6), 1111–1118. https://doi.org/10.2164/jandrol.112.017160
Holmboe, S. A., Priskorn, L., Jørgensen, N., Skakkebaek, N. E., Linneberg, A., Juul, A., & Andersson, A. M. (2017). Influence of marital status on testosterone levels–A ten year follow-up of 1113 men. Psychoneuroendocrinology, 80, 155-161.