社会的なつながりと非人間化
社会的なつながりを感じる人は(特に遠い)他者に対して人間性を感じなくなり、危害を加える可能性が高まる
社会的なつながりを既に持っている人は他者との関わりを積極的に求める必要性が無くなるということ
「他者に対して冷酷になれる人」とはどういう人でしょうか?
サイコパスを思い浮かべる方もいるかもしれませんが、衝撃的な研究が2012年には発表されました。
この研究によると「社会的なつながりを感じる人は(特に遠い)他者に対して人間性を感じなくなり、危害を加える可能性が高まる」ということがわかりました。
満腹感を感じた人が食事を求めなくなったり、喉が乾いた人が水を求めたりするということを考えると、この結果は説明がつくでしょう。
つまり、社会的なつながりを既に持っている人は他の遠い他者との社会的なつながりを持とうとしなくなる(持つ必要もなくなる)というわけです。
したがって、非人間化した人々に危害を加えても良いだろうと考えるというわけです。
「君の為なら世界中を敵に回しても構わない」というような言い回しに表れるように、身近な人との深いつながりは他者との断絶を意味することがあるというわけです。
参考文献:
Waytz, A., & Epley, N. (2012). Social connection enables dehumanization. Journal of experimental social psychology, 48(1), 70-76.