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作為と不作為

意図と非難


不作為(しないこと)は作為(したこと)よりも厳しく非難されない
不作為の“選択”は単なる不作為よりも非難される
何もしない人が非難されにくいのは、不正行為の証拠が不十分だからということ

ある大企業の代表が外交的な話題に対して中立的な立場を取ったことで非人道的だと批判されるというニュースがありました。


なぜ、「中立的な立場」を取っただけで批判されるのでしょうか?


行為には作為と不作為という相対する概念が存在します。


作為とはある行動を取ることで、不作為とはある行動を取らないことです。


2011年の研究は不作為がなぜ非難されにくいのか?という疑問に対して興味深い見解を主張しています。


「不作為(しないこと)は作為(したこと)よりも厳しく非難されない」が、「不作為の“選択”は単なる不作為よりも非難される」ことが実験からわかったのです。


つまり、「何もしない人が非難されにくいのは、不正行為の証拠が不十分だからということ」です。


冒頭の代表が批判されたのは、中立的な立場だからではなく、中立的な立場を“取った”からと言えるでしょう。


皆さんも、批判を避ける為には“不作為の選択”はやめたほうが良いということです。


参考文献:


DeScioli, P., Bruening, R., & Kurzban, R. (2011). The omission effect in moral cognition: Toward a functional explanation. Evolution and Human Behavior, 32(3), 204-215.

*全ての記事は科学的な知見に基づくものであり、一部の人に不利になるような思想を助長させるものではありません。

*全ての記事の内容は新たな知見等により、多少の修正が必要な場合や正反対の見解が正しいとされる場合もあります。

​*全ての記事は正確さの担保の為に、出来るだけ多くの引用や参考文献を紹介しますが、最終的な正確さの判断はご自身でなさってください。

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