グループ内外の拷問
自国が行った拷問は他国が行った拷問よりも正当化されやすいことが判明
拷問が道徳的に正当化されるかどうかは内集団か外集団のどちらが行うかによって異なるということ
「拷問」そう聞くと皆さんはどういう印象を抱きますか?
「拷問は絶対に許されないことだ!」と断言する方もいるでしょうし、「時と場合によっては正当化される」と考える方もいるでしょう。
進化心理学的な観点に立つと拷問が正当化されるかどうかは自己の利益になるかどうかで大きく変わると考えられます。
2012年の研究では、「自国が行った拷問は他国が行った拷問よりも正当化されやすい」ということが判明しました。
つまり、「拷問が道徳的に正当化されるかどうかは内集団か外集団のどちらが行うかによって異なる」ということです。
拷問の正当性を考える時に、「誰が行ったか」という情報を排除しなければ、客観的な判断はできないでしょう。
参考文献:
Tarrant, M., Branscombe, N. R., Warner, R. H., & Weston, D. (2012). Social identity and perceptions of torture: It's moral when we do it. Journal of Experimental Social Psychology, 48(2), 513-518.