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きょうだいの手がかり

MPAと同居期間


年上のきょうだいはMPAを
年下のきょうだいは同居期間の長さを

突然ですが質問です。


皆さんはどのようにきょうだいを見分けますか?


祖先の環境では戸籍や出生記録は存在しません。


そんな中、きょうだいを見分けることはとても大切なことです。


なぜなら、血縁度が高い者同士で交配を行うと生まれてくる子の病気や障害のリスクが高まるからです。


きょうだいを見分ける方法として現在提出されている仮説としては、年上のきょうだいは「MPA」を使い、年下のきょうだいは「同居期間の長さ」を使うというものです。


MPA(Maternal Perinatal Association)とは母親が世話をしている乳幼児をきょうだいと認識する方法です。


つまり、年上のきょうだいにとっては、母親が赤ん坊の世話をしていれば、その子は高確率できょうだいということになります。


年下のきょうだいはMPAを使うことはできません。


なぜなら、すでに成長した年上のきょうだいが出産直後に世話をされているのを見ることができないからです。


年下のきょうだいは「同居期間の長さ」を用いてすでに成長した年上のきょうだいを見分けます。


「同居期間の長さ」とは幼少期を一緒に過ごせば、きょうだいとして認識する方法です。


イスラエルのキブツでの研究でわかったことは、幼少期を共に過ごした相手に対しては性的関心が減少するということです。


これらは近親婚を避け、遺伝的多様性を保つ為にとても重要なメカニズムでしょう。


参考文献:


Lieberman, D., Tooby, J., & Cosmides, L. (2007). The architecture of human kin detection.Nature,445(7129), 727–731. https://doi.org/10.1038/nature05510


Hartung, J. (1985), Incest. A biosocial view. By J. Shepher. New York: Academic Press. 1983. xiv + 213 pp., figures, tables, glossary, references, indices. $25.00 (cloth). Am. J. Phys. Anthropol., 67: 169-171. doi:10.1002/ajpa.1330670213

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