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まずは生存から?繁殖は二の次?

生存と繁殖のトレードオフと交配への関心


社会的受容と交配へのモチベーションのトレードオフを生活史理論の観点から検討した2009年の研究
社会的受容を経験した参加者は交配への関心が高かった
社会的受容の経験を思い出した参加者は性的関係をより重要視していた

生活史理論は進化心理学の中でも中心的な概念で、とても面白いものですが、その枠組みのかでは生存を促進する行動と繁殖を促進する行動のトレードオフがあるとされています。


今回は、そんなトレードオフの観点から、社会的受容と交配について考えてみましょう。


この枠組みに従えば、最近社会的受容を経験した人は交配へのモチベーションを高めるはずだとBrownら(2009)は予測しました(集団に排斥されない、安全な状況下で、配偶者を求めることができるということ)。


この予測は研究1と2を通して確かめられました(社会的受容を経験した参加者は交配への関心が高く、社会的受容の経験を思い出した参加者は性的関係をより重要視していた)。


これらの結果は、簡潔に言い換えるならば、所属欲求が満たされると交配への関心が高まるというもので、冒頭の生活史理論が言うところの適応的なトレードオフを示唆しているというわけです。


まずは生存、その次は繁殖というふうに祖先の環境でヒトは行動していたのでしょうか。


参考文献:


Brown, C. M., Young, S. G., Sacco, D. F., Bernstein, M. J., & Claypool, H. M. (2009). Social inclusion facilitates interest in mating. Evolutionary Psychology, 7(1), 147470490900700103.

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