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時間稼ぎ...?

権力と問題解決の関係


低権力者は重要な議論を先に、高権力者は重要な議論を後にすることを好む
低権力者は現状をすぐに改善する必要があり、高権力者は現状を出来るだけ維持する必要がある為にこの差が生まれるということ

国民が権力の行使を選挙によって選んだ候補者に委ねることを間接民主主義と言います。


日本も採用しているこの政治システムですが、よく「選挙期間は必死に働くが、選挙が終わると公約をなかなか守らない」などと言われることがあります。


なぜ、権力者とそうでない人々では問題解決に関してこのような断裂が生じるのでしょうか?


前提としてですが、進化心理学では個体は適応度を最大化させるように行動すると考えます。


つまり、権力者は権力を維持しようとしますし、権力を持っていない人々は少しでも状況を改善するように努力するというわけです。


この考えをベースとして面白い仮説が立てられ、検証されました。


2013年の研究では「低権力者は重要な議論を先に、高権力者は重要な議論を後にすることを好む」ということが一連の実験により確認されたのです。


権力者はいわゆる“時間稼ぎ”をして長い間権力の座に座ろうとするし、非権力者は出来るだけ重要な問題解決を優先して自分たちの環境を改善しようとするというわけです。


議員と国民の間に生じる対立はそれぞれが異なる動機を抱いているからなのでしょう。


参考文献:


Kteily, N., Saguy, T., Sidanius, J., & Taylor, D. M. (2013). Negotiating power: agenda ordering and the willingness to negotiate in asymmetric intergroup conflicts. Journal of personality and social psychology, 105(6), 978–995. https://doi.org/10.1037/a0034095

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